睡眠の代謝と体温
もし徐波睡眠が恒温動物の高い代謝率によるエネルギー消費を埋め合わせるために進化したのならば、代謝率の高い哺乳動物は低いものより多く眠ることが期待されます。
セペリンとレクトシャヘェン(1974年)は、53種の哺乳動物の睡眠と代謝についての文献を広汎に調べて、基礎代謝率と1日の睡眠量や徐波睡眠との間に高い相関があることを見出しました。
彼らは、羽毛 フトンでの睡眠はエネルギー消費の調節に重要な役割を果たしているのだろうと述べています。
代謝率と睡眠量との間の相関は同じ種内でも明らかにみとめられます。
たとえば、ヒトで3歳から79歳までの男性のグループで代謝率と全睡眠時間との間に高い相関があります。
つまり、代謝率の高い人は低い人より多く眠ることによって、カロリー支出を埋め合わせているのです。
睡眠中ヒトでは代謝率が安静覚醒レベルより平均20%くらい減少します。
昔は、睡眠時の代謝の減少は睡眠に伴う筋弛緩の結果であって、睡眠それ自体の基本的な過程ではないとされていました。
しかし、現在は代謝率を減少させる睡眠依存性の過程があることが知られています。